株式会社 エス・エヌ・テー 「廃棄物ゼロ」の未来を描くWebサイト刷新

創業110年を迎える株式会社エス・エヌ・テー様は、名古屋市中区に本社を構える紙資源循環企業です。
紙媒体の減少による市場縮小の中、事業承継のタイミングを機に、「古紙回収業」から「資源循環業」へとブランドの軸足を移すことを決断されました。
このプロジェクトは、「ゴミ屋」と見なされがちなネガティブイメージからの脱却と、資源循環の価値を社会に伝えることを目的にした戦略的なブランド刷新です。
「資源を循環させ、廃棄物をなくす」というビジョンを起点に、110年の歴史に裏打ちされた信頼感と、次の時代に向けた先進性を両立したブランド体験を構築しました。
Webサイトリニューアルを出発点として、ティッシュ配りキャンペーンやQRコード+UTMパラメータを用いた効果測定、110周年記念パンフレット制作など、オンラインとオフラインを横断した取り組みへと発展。
機密文書溶解サービスのリード獲得を図りながら、資源循環業としての社会的な価値を広く伝える、次世代型の静脈産業ブランドづくりに取り組んでいます。
Problem
課題
見えづらかった資源循環の価値を、ブランドとしてどう伝えるか
■ブランド価値の不可視化
資源循環を担う静脈産業の社会的価値が十分に伝わらず、「ゴミ屋」というイメージが残っている状況。年間CO2削減2,380tという環境貢献や、紙の再資源化に110年取り組んできた実績が可視化されていませんでした。
■事業の矮小化
「古紙回収業」と認識されており、資源循環の本質的な価値が十分に伝わっていませんでした。機密文書溶解をはじめとする各サービスの社会的意義も不明確でした。
■想起と申込みの障壁
サービスが必要になったタイミングでエス・エヌ・テー様が想起されにくく、Webサイト訪問後も情報不足から申込みまで進みにくいという課題。オンラインとオフラインで一貫したブランド体験を設計できていませんでした。
Solution
解決策
資源循環の物語を描き、デジタル×リアルでブランド体験を設計
課題解決の核心は、資源循環業としてのブランドを確立しながら、各サービスへの申込みを後押しする導線を整えることです。
「1枚の紙には、物語の続きがあります」という詩的なメッセージから始まり、「資源を循環させ、廃棄物をなくす」というビジョンを明文化。使い終えた紙を「終わり」ではなく「始まり」として捉える価値観を、コピーとビジュアルの両面で整理しました。
Webサイトでは、倉庫の白を基調にブランドカラーのブルーを組み合わせ、伝統と革新を視覚的に表現。年間CO2削減2,380tといった具体的な数値も掲載し、環境貢献の実態を直感的に伝えています。



各サービスページでは、ユーザーの課題を起点に情報を再設計しました。機密文書溶解サービスでは、「手間」「情報漏洩」「保管スペース」「処分ノウハウ不足」という4つの不安に対し、「課題→解決→裏付け→安心」という流れでコンテンツを構成。検討時の疑問をひとつずつ解消しながら、申込みまでスムーズに進める導線を整えています。
さらに、名古屋市中区の立地を活かしたティッシュ配りキャンペーン、QRコード+UTMパラメータによる効果測定、110周年記念パンフレット制作など、オンライン・オフライン統合戦略を展開。デジタルとリアルの両面から、想起と申込みを促す仕組みを構築しました。



業界らしくない表現で、資源循環型企業としての新しい姿をデザインに
「ゴミを出す」から「資源を循環させる」へ。
“古紙回収業”という枠を超え、未来志向の資源循環ブランドとしての姿を描くため、現場写真ではなく「資源が再び命を吹き返す瞬間」をイラストで表現しました。
イラストでは、リサイクルのプロセスをあえて抽象的に描き、環境へのやさしさと清潔感を感じられるタッチに統一しています。業界特有の3Kイメージを払拭し、事業の社会的意義を前向きな印象で伝えることを意識しました。

サイト全体に走るブルーのラインは、資源をめぐる流れを象徴するモチーフです。静脈産業としての「循環のライフライン」を表現し、どのコンテンツからも同じ世界観を感じられるように設計しています。
構成面では、110年続く「企業の信頼感」と、新しいチャレンジを続ける「先進性」を両立するために、余白とリズムを大切にした設計を採用。歴史の重みを感じさせながらも、次の100年を見据えたクリーンなブランドイメージへと刷新しました。


credit
Client 株式会社 エス・エヌ・テー
Producer/Director 山田 拓真
Art Director/Designer 大山 昌太
Designer 松本 陽望
Illustrator 大山 早紀
Assistant director 池戸 千晶
Engineer 小林 友貴/本荘谷/有限会社アスリンク
Writer 株式会社mana